「布施」という言葉は、サンスクリット語の「ダーナ」からきています。檀那(だんな)寺とか、檀家(だんか)という言葉も、ここからきています。「ダーナ」とは「あまねくほどこす」という意味で、仏教の理想世界を実現するための行の一 つです。

 布施には、法施(ほうせ)、財施(ざいせ)、無畏施(むいせ)の三つがあります。

 法施とは、人が正しい生き方をするためにはなくてはならない仏法を説き、無形の精神的なほどこしをするもので、これは僧侶のつとめです。

 この法施にたいして、感謝の気持ちを、金品であらわして、お寺へほどこすことを財施といいます。

 無畏施とは、不安や畏(おそ)れを抱いている人にたいして、安心のほどこしをすることで、今でいえば、ボランティア活動です。浄土真宗本願寺派仏教婦人会総連盟では、毎年2月の第二日曜日を「ダーナの日」と定めて、全国各寺の仏教婦人会が、福祉施設訪問や難民救援など、幅広い布施の実践活動を行っています。

 布施といえば、現在では、上記の財施の意味にしか使われませんが、もともとは、むさぼりの心を少しでも離れて、人や社会のために尽くす行ないのことです。

 布施は、施主のこころ次第ですので、財施に関しても、いくらでなければならないということはありませんが、かつては親戚や知り合いに尋ねて決められたものの、現在では、それを知る人が少なくなりました。ここはひとつ、お寺に相談されるのが一番かと思います。適切にアドバイス下さると思います。

 



 

  お布施の表書きは、葬儀や法事で僧侶にお渡しする場合は、そのまま「御布施」。「御経料」と書くのは×です。葬儀や法事に参列する場合に持ってゆく金封には、「御仏前」と書きます。お香料という意味で「御香典」もOK。但し、真宗では「御霊前」とは書きませんので要注意!

お寺のお荘厳(仏具等)や、お給仕(香やお供え)に役立ててもらう意味で包まれる場合には、「」「懇志」と表書きします。

 御布施に使う水引の色は、よろこびの時は金または赤、一般のときは赤、悲しみのときは銀、黒または黄にします。