作者紹介

 

  弘中要一  

  〒744-0074

    山口県下松市潮音町5-13-15

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「竹と遊ぶ」 弘中要一

 最近、私は竹細工に熱中している。初めは、竹とんぼを作ってはこどもたちに与えていたが、もっとよく飛ぶものは作れないかと工夫を重ね、今までに数千本の竹とんぼを作ってきたが、なかなか満足するものができない。
  作れば作るほど難しく、奥が深いものである。たかが竹とんぼ、されど竹とんぼである。 羽のひねり具合、羽と棒のバランス、羽の左右のバランスや竹の材質等々。材質と言えば、竹には多くの種類があり、植物の分類学上ではイネ科に属し、およそ500数十種以上と言われ、東南アジアを中心に熱帯や温帯に多く分布し、このうち日本には約150種あると言われている。
  通常、私たちが使用している竹は、孟宗竹(もうそうだけ)、淡竹(はちく)、苦竹(まだけ)、女竹(めだけ)、黒竹(くろだけ)、四方竹(しほうちく)、亀甲竹(きっこうちく)で、用途に応じて使い分けている。
  繁殖力の旺盛な竹は、近ごろ竹害と言われるほどで、材料としては容易に手に入る。竹林に入るとみんな同じような竹も、よく見ると一本一本違う表情を持ち、すがた形も同一ではない。従って、細工に用いるのに適した竹は、そう多くはない。「竹を割るような」と例えられるが、実際にはそう思うようには割れるものではない。かなりの技術を要するのである。
  竹とんぼづくりから始まり、まだ経験も浅く、今は玩具のような、子どもの工作程度のものしかできないが、竹という自然の素材を活かし、いろいろなものを発想し、工夫し創作してみたい。それがボケ防止になれば幸いである。これからの余生を、竹と遊びながら過ごしたい。