南無阿弥陀仏

　親鸞さまはお坊さんになられて以来、ひたすら比叡山で仏に成るための厳しい修行に励まれた。そして三観仏乗の理・四教円融の義といった難しい教えも理解されたのであるが、それはしかしながら頭だけのことで、「心を静めようとしても煩悩の波が騒ぎ、法界を観念しようとしても、迷いの雲にかきみだされる。」（嘆徳文）と、どうしてもさとり〔六道輪廻を脱する道〕の確証を得ることができなかったのである。その間、なんと２０年！（９才〜２９才）

　どこまで修行すればさとりが得られるのであろう？最近の新宗教の教祖たちは簡単にさとりをひらいてしまう（そのように自分で言う）。昨日まで、サラリーマンであったり、主婦であったものが、今日は神さまや仏さまになっているのである。それに比べて親鸞さまはまじめと言う他はない。さとりを得られないことに随分と悩まれたようである。